2018年10月02日
IQ135以上で入学できるアメリカのヌエーバスクールで15年に渡り指導を続けた川崎由起子氏。ギフテッド教育の最前線で指導をしてきた川崎氏は、帰国後、都内のインターナショナルスクールで指導をし、現在は、東京ウエストインターナショナルスクールに勤務しています。本連載は、ギフテッド教育で活躍した川崎氏の寄稿を編集部が加筆したものです。
1967年に創立されたヌエーバは、ギフテッド教育の先駆者として世界に影響を与えてきました。
編集部では、高いIQを持つ生徒への学びとしてギフテッド教育についても注目しヌエーバスクールで15年以上に渡り指導にあたってきた川崎由起子氏に執筆をお願いしました。
川崎氏は、京都で生まれ育ち、同志社大学で学んだ後に渡米し、ヌエーバスクールの教員となります。
▼【連載1】はこちらをご覧ください。
【連載1】IQ135以上で入学 シリコンバレー勝者の教育 ヌエーバスクールの衝撃
https://istimes.net/articles/1124IQ135以上で入学できるアメリカのヌエーバスクールで15年に渡り指導を続けた川崎由起子氏。ギフテッド教育の最前線で指導をしてきた川崎氏は、帰国後、都内のインターナショナルスクールで指導をし、現在は、グローバスステップアカデミーに勤務しています。本連載は、ギフテッド教育で活躍した川崎氏の寄稿です。
【連載3】ハーバード大学よりも難しい?ヌエーバ幼稚部入学〜IQ135以上で入学 ヌエーバスクールの衝撃 | By インターナショナルスクールタイムズ
https://istimes.net/articles/1169IQ135以上で入学できるアメリカのヌエーバスクールで15年に渡り指導を続けた川崎由起子氏。ギフテッド教育の最前線で指導をしてきた川崎氏は、帰国後、都内のインターナショナルスクールで指導をし、現在は、グローバスステップアカデミーに勤務しています。本連載は、ギフテッド教育で活躍した川崎氏の寄稿です。
2001年、それはアメリカを揺るがした年でした。
9月11日ー同時多発テロ「911」が起こりました。
私はヌエーバスクールの教員をしていました。
あの朝、教員たちは集められました。
私たち教員が最初に話した事。
それが生徒への対応でした。
アメリカ国内でリベンジムードが高まりつつある中、我々が出した結論。
それは
「アメリカにいる中東の人全てがテロリストではない。
彼らに対する偏見を生徒たちに植え付けてはいけない。教員として、自らからその言動と振る舞い、そして、生徒に見せるメディアの選択に注意しなければならない。」ということでした。
この日ほど私自身がこのヌエーバコミュニティを尊敬し、また誇らしく思った日はありません。
それがヌエーバ精神です。
911に垣間見えるヌエーバ精神。
早速、その教育についてお伝えしましょう。
ギフテッド教育のスクールを作る。
創立者であるカレン・マカウン(Karen Stone McCown)がヌエーバスクールを創設した理由は、ひとりの親としての経験からでした。
息子が学校になじめずヌエーバスクールを創設したカレン・マカウン。
創設者のカレンの息子が公立の学校になじめず、担任の先生には知能遅れではないかと疑われたことがきっかけでした。
カレンは、息子に知能テストを受けさせます。
するとひとつの事実に突き当たりました。
息子は知能指数が高かったのです。
1998年のヌエーバスクールのスナップショット。
しかし、落ち着きがない、集中力が続かないなどの学習障害を持っていたのです。
そのため、受け入れてくれる学校がなく、カレンは悩みました。
息子の長所を伸ばし、学びたいことを徹底して学ばせてくれる教育機関を、と願い学びの場を作ったのがヌエーバスクールの始まりです。
ヌエーバスクールの教育使命は「learn by doing, learn by caring」です。
日本語に訳すと「体験によって学び、気持ちを込めて学ぶ」です。
クリエイティビティ(創造力)がありアウトオブボックスシンキング(枠組みを超えた思考力)のできる児童・生徒の育成に力を注いでいます。
サンフランシスコ国際空港から15分ほど南に行くと1967年に設立されたヌエーバスクールがあります。
大富豪の銀行家だったチャールズ・クロッカーの屋敷跡をヌエーバは、キャンパスにしています。
見晴らしのいい日は、サンフランシスコ湾を一気に見渡せる場所にあります。
カルフォルニアのサクラメントに生まれた銀行家チャールズ・クロッカーは、名門ボーディングスクールであるフィリップスアカデミー アンドーバー校を卒業後、イェール大学に進学。
銀行家として活躍します。
9年生から12年生までが学ぶサン マテオ校舎。
15万平米のキャンパスー東京ドームが入る敷地で、4歳から14歳まで400名が学んでいます。
生徒は、知能指数の高いいわゆるギフテッド チルドレンと呼ばれる生徒・児童が学んでいます。
ギフテッド教育の先進国アメリカの中でもさらに最先端の進歩主義教育(プログレッシブエデュケーションケーション)が行われています。
これまで全米の優れた教育機関に送られるブルーリボン賞を二度も受賞している教育機関です。
ヌエーバの精神。
それは、普段の学校生活に息づいています。
いくつか抜き出してみましょう。
・制服はありません。
・生徒は先生を名字でなく名前で呼んでいます。
・教室は先生の教壇に向かって座るのではなく、丸テーブルをかこんで座ります。
・座席は決まっていません。そのため生徒は好きな場所に座ります。
・始業のチャイムも終了のチャイムも鳴りません。時間になれば生徒は自主的に教室に入り、授業が終われば、次の教室に移動します。
これらの学校生活は、あるひとつの理由に繋がります。
ヌエーバスクールでは次世代のリーダーの育成を目指しています。
産業、教育、政治、エンターテイメントー児童・生徒がどの分野に興味を示し、進んだとしても将来どの分野でもリーダーとして人をまとめることができる。
そして、その業界を先導していく問題解決の力を備えた、人間味あるリーダーの育成を目的としています。
それは先ほどご紹介した学校生活だけではなく、そのため第一歩からスタートしています。
その素質ある児童を選ぶ事から始まっているのです。
▼ 連載1は、こちらを参照ください。
【連載1】IQ135以上で入学 シリコンバレー勝者の教育 ヌエーバスクールの衝撃
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【連載3】ハーバード大学よりも難しい?ヌエーバ幼稚部入学〜IQ135以上で入学 ヌエーバスクールの衝撃 | By インターナショナルスクールタイムズ
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この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
編集部では、ギフテッド教育についても注目しヌエーバスクールで15年以上に渡り指導にあたってきた川崎由起子氏に執筆をお願いしました。
川崎氏は、京都で生まれ育ち、同志社大学で学んだ後に渡米し、ヌエーバスクールの教員となります。
帰国後、日本を代表するインターナショナルスクールに勤務。
現在、東京ウエストインターナショナルスクールのCOOを務めています。
https://www.tokyowest.jp
▼連載1〜3はこちらをご覧ください。