2017年04月13日
ヨーロッパの親日国ポーランド。日本企業も多く進出するポーランドですが、以外と教育情報提供が少ないのも悩みの種。そこで子連れでポーランド駐在が決まったけど、どうしたらいいかわからない!!そんな時に役に立つであろう学校の探し方・滞在手続きについてポーランド在住のciszek0918さんの記事です。
3月は異動の季節でしたね。歓送迎会や業務の引継ぎで忙しかった1か月だったと思います。
多くの日系企業が安い生産コストを求め、海外に進出を果たしています。
それに伴い海外赴任を命じられる方もご家族も増えています。
外務省の海外在留邦人数調査統計によると海外に駐在する日本人は、約85万人(20歳以下は約30万人)
前年より0.7%増えています。
私の住む国ポーランドも例外ではなく、在波邦人数は1,276人その内998人が長期滞在者です。
ポーランドはEU加盟国の中でも特に経済発展が著しい国であり、且つ治安が良く、労働者を雇う人件費や地価も安いため外資企業が多く進出しています。
ポーランドに進出している日系企業数は100社以上あり、主にワルシャワ・クラクフに集中しています。
世界遺産のワルシャワ。旧市街と新市街のコントラストが美しい。
私の住む県では3社の大手日系企業が進出しており、その内1社の会社名に因んで「たばこ通り」「たばこ公園」「たばこ学校」など地名として使われている地域もあります。
さて、ではこんなに在留者が少ない非英語圏ポーランドに赴任している日本人の子女らはどのように教育を受けているのでしょうか。
急に「ポーランド赴任」となったお母さんはとても気になりますよね。
お子様が教育を受ける手段としては2つあります。
まず1つ目はワルシャワにある「ワルシャワ日本人学校」へ入学する。
1978年創立のワルシャワ日本人学校。
2つ目は私立のインターナショナルスクールへ入学する。
ポーランドにある学校一覧は、外務省が日本人向けにまとめています。
それがこちら。
インターナショナルスクールでも、アメリカンスクールではなく、ブリティシュスクールが多いのもポーランドの特徴です。 引用 外務省 ポーランドの学校一覧
ポーランドに駐在している家族は、仕事とお子様の教育のためにふたつに分かれます。
1.ワルシャワ
家族がワルシャワに住み、お父さんは赴任先で生活。
(例:お子様は、日本人学校に入学。お母さんとお子様だけワルシャワに住む。お父さんは赴任先に残るというパターン)
2.ワルシャワ以外
日本人学校がないワルシャワ以外に赴任されている家族は近くのインターナショナルスクールへ入学を選ぶことが多いようです。
このふたつでポーランドで仕事と教育を両立しています。
ポーランド南部の都市クラクフにあるヴァヴェル城。
クラクフは、ワルシャワ、ウッチに続くポーランド第3の都市。
また、外務省の一覧だけではなく、googleで ”miedzynarodowa szkola w 都市名 " (和訳:都市名のインターナショナルスクール)と検索をかけてみましょう。
学校一覧以外の良心的な学費のインターナショナルスクールを見つけることができます。
そのなからお子様に合った学校を探すためにも検索してみてください。
筆者である私の息子は6歳の誕生日まで日本に住んでいたということもあり、インターナショナルスクールへ入学しました。
学校を探す際に最初は英語でグーグル検索をかけましたが1校しか表示されず、上記のポーランド語で再検索したら3~4校表示され、その中から良心的な学費で自宅から近い学校を選びました。
1年生の下の0年生(ゼロフカ)の授業風景
通常、ゼロフカは授業というより遊びや「何かを経験・体験」することをメインに1日を過ごしていますが、息子の学校ではドイツ語のカリキュラムがあります。
息子が初日に覚えてきた言葉はポーランド語ではなく「パパガイ」ドイツ語で「オウム」です。
(筆者写真提供)
生徒構成はポーランド人が約90%。
約10%が息子をはじめ、母親がポーランド人で父親がフランス、イタリアとのダブル、アメリカなど多国籍な生徒構成です。
日本ほど授業内容や指導はきっちりとしていませんが、担任は英語を話せ、基礎授業以外にもサッカーやパソコンなどの選択授業が豊富です。
何よりも子供自身が何事にも自力で解決しようと取り組むようになったので結果的に選んで良かったと思います。
いいなと思った学校を見つけたらメールで見学のアポイントを取って絶対に訪問をしてください。
子供が学ぶ様子と私立は廃校になる恐れがないか。
また、学校の規模や生徒数、先生の身なりなどをよく観察してください。
こちらでは私立の学校が財政などの関係でいきなり廃校や休校になることはよくあります。
実際に私が見つけた3校の内、1校が廃校になりました。
では最後に「長期滞在者は現地校には入れないの?」と思う方もいると思います。
答えは「非常に難しい」のが現状です。
【現地校の入学優先順位】
1.ポーランド国籍を有する人
↓
2.ポーランド永住権を持つ人やポーランドで事業を起こしている人
↓
3.その他
上記の優先順位で学校が入学する生徒を選びます。
この背景には、ポーランドには英語を話せる教員が少ないことが理由として挙げられます。
学校の情報は、卒業式の日程や遠足などすべてのインフォメーションはポーランド語でボードに掲示されます。
何があるのか、必要なのか、相手が外国人だろうと事細かに先生は言いませんし、お知らせの手紙などは一切ありません。
そんなポーランドの教育ですが…
例えば、北米に赴任すると多く方が現地校に入学すると思います。
残念ながらポーランドはアメリカやカナダ、オーストラリアほど国際化していないのが現実です。
現状では、ポーランドにもウクライナ移民が増えつつあります。
ウクライナからの移民によって、少しずつ教育現場の国際化・整備が進んでいます。
しかし、海外からの長期滞在者の受け入れを実施するにはまだ遠い道のりだと思います。
無事に学校が決まったら、学校と入学願書と契約をします。
入学書類は、英語の学校もあればポーランド語以外受けつけない学校もあります。
ポーランド語の場合、誰か翻訳してくれる人を探すのが良いでしょう。
覚えておきたいのが、その際に念のため「入学許可証」もしくは「在籍証明書」を発行してもらえるか、ということ。
なぜならば、ポーランドの各県庁の外国人局滞在許可証(カルタポペトゥ)の申請時に提出するよう言われる場合があるからです。
申請の際に「必要ない」と言われても後から「やはり必要だから明日持ってきて」と急に言われることもあるので証明書の発行を学校に確認したいですね。
そのため滞在許可証の申請時には、「入学許可証」もしくは「在籍証明書」を持っていたほうが良いでしょう。
次はポーランド赴任が決まったらすべきこと②学用品編について紹介します。
インターナショナルスクールタイムズでは、ライターを募集しています。海外在住で教員をされている方、その国への駐在者向けに役立つ教育情報を執筆できる方、ライター経験やブログ・サイト運営経験のある方、質の高い、手間のかかった記事を執筆しようと頑張れる方、写真の撮影・提供ができる方、社会人マナーを守れる方はぜひご応募ください。
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ドイツの東にあるポーランド。さらに東は、ウクライナ。