2017年05月16日
秋篠宮家の眞子さまの婚約相手がカナディアン・インターナショナルスクール卒業生として話題になっています。そこで、編集部ではインターナショナルスクール卒業生がどのような国内の大学に進学しているのか、をまとめました。皇室と国際教育。英語で学べる探究的な学びを提供する大学の姿が見えてきます。
秋篠宮ご夫妻の長女の眞子さまが、大学時代の同級生の男性と婚約される見通しになりました。関係者によりますと、眞子さまは、ICU=国際基督教大学に通っていたときの同級生で、横浜市に住む小室圭さんと婚約される見通しになりました。
今回、ご婚約相手の小室圭さんは、カナディアン・インターナショナルスクールを卒業後、ICU(国際基督教大学)を経てという経歴に注目が集まっています。
そこで編集部は、インターナショナルスクールを卒業後の進学先とキャリアについてまとめました。
小室圭さんが卒業したカナディアン・インターナショナルスクールは、東京都品川区にあるカナダのプリンス・エドワード・アイランド州教育省の認可を受けたインターナショナルスクールで男女共学で幼稚部から高等部まで学ぶことができるインターナショナルスクールです。
幼稚部・初等部では、国際バカロレアの初等教育カリキュラム課程(PYP)の認定を受けており、探究的に学ぶ国際バカロレアとカナダの探究的な学びの融合が特徴です。
カナディアン・インターナショナルスクールは、カナダのプリンス・エドワード・アイランド州教育省を受けているため、カナダの大学に志願する時は願書、エッセイ、内申書で受験することができます。
同行からは、カナダの名門大学であるトロント大学、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学などに合格しています。
▼カナダのトルドー首相は、マギル大学、ブリティッシュ・コロンビア大学で学んでいます。詳しくはこちらの記事を参考にしてください。
カナダの23代首相のジャスティン・トルドー。英語とフランス語が公用語のカナダで教師として教壇に立った後、政治の道に進みました。父ピエール・トルドーもカナダ首相を務め、「多文化主義」を進めました。カナダの教育の背景には、多文化理解を進める父ピエール理念が息子ジャスティンに教育として受け継がれています。
同校は、WASC認定を受けており、日本の大学、海外のほとんどの大学に志願資格があります。
現在、同校卒業生は、下記の国内の大学に合格しています。
慶應義塾大学、ICU(国際キリスト教大学)、上智大学、筑波大学、テンプル大学、立教大学、APU(立命館アジア太平洋大学)、横浜市立大学、早稲田大学など
海外の大学もカナダの名門大学をはじめ、合格している背景には、カナダの少人数制で質の高い教育が高い評価を受けています。
〒141-0001 東京都品川区北品川5-8-20
URL;http://www.cisjapan.net/jp/
TEL:03-5793-1392
FAX:03-5793-3559
今回、眞子さまがご婚約される小室圭さんは東京都品川区にあるカナディアン・インターナショナルスクールを卒業後、ICUで学んでいます。
実は、ICUは、インターナショナルスクール卒業生にとって古くからの進学先のひとつです。
▼桜とアメリカンフットボールのグラウンドは、ICUの教育を象徴しています。
インターナショナルスクール卒業生が選ぶ進学先としてICUが古くから選ばれている理由のひとつに英語で学べることとリベラルアーツ教育が挙げられます。
ICUは、創立時から英語でリベラルアーツ教育を実施しています。
探究的に学ぶインター卒業生にとってアメリカ式のリベラルアーツ系の大学で学び、その後、専門を選んでいくという流れが自然な流れでした。
リベラルアーツとは、あなたが手に入れる知識の何かではありません。
新しい知識を得る、そのあなた自身が成長し変貌することです。
ICUの4年間で、あなたは新たな自分を創造し、他者を発見します。
ICUが創立されたのは、1953年。
当時から英語で学べる大学は、ICU、上智が代表です。
インターナショナルスクール卒業生にとって、国内の大学は進学先として限定されていました。
その理由は、大学の志願資格がなかったため。
すなわち、「高等学校」を卒業したとみなされなかった時代がありました。
そのため日本の大学を志願する国内のインターナショナルスクール卒業生は、いわゆる「大検(高等学校卒業程度認定試験)」に合格し、国内の大学の志願資格を得ていました。
現在、国内のインターナショナルスクール卒業生が選べる進学先は、多様化しています。
それは、大学志願資格を得るために大検を受ける必要が少なくなりました。
詳しくは、こちらの記事を参考にしてください。
インターナショナルスクールから国内の大学を受験するにはどうしたらよいのでしょうか?受験する前に志願資格があることが必要です。普通の高校とは違うため、国内の大学に志願資格があるか、確認しておきたいですね。
ICUと上智は古くから「英語で学べる」コースや専攻を持っていたためインター卒業生が国内の大学として選んできました。
そのなかで近年、英語で学べる大学が増加してきました。
日本で英語で学べる大学に注目が集まったのは、1980年代でした。
英語で学び続けたきた国内のインター卒業生にとって、日本語で学ぶ国内の大学は学びにくく、多くが海外の大学などに進学してきました。
そのなかで「英語で学べる」国内の大学として、インター卒業生を古くから受け入れてきたのが「ICU」や「上智」だったのです。
近年、英語で学べるコースや専攻を持つ大学が増えたことで進学先も増えてきました。
1980年代から日本全国にアメリカの大学の日本校ブームが起こります。
「日本にいながらアメリカの大学に通える」と一時はブームに(略)。1980年代から1990年代にかけて30から40ほどの大学が日本の教育市場に参入した(略)
第二次ベビーブーマー世代が受験期にあたり、大学受験が熾烈を極めた時期です。
1990年の調査では、アメリカ大学の日本校は、北海道から九州まで全国に33校、約1万人が在籍していました。
▼テンプル大学日本校は、インター卒業生に当時から人気の大学
「英語を学べる」ことがブームでしたが、その後、「英語で学ぶ」大学が志望者を集めていきます。
そのなかでインター卒業生の注目を集めていく大学が出てきます。
なかでも寮がある大学が高い人気となっていきます。
それが大分県にある立命館アジア太平洋大学(APU)と秋田県にある国際教養大学です。
▼立命館アジア太平洋大学のFace Bookより引用
第二次ベビーブーマー世代から少子化が始まってきた2000年代以降、英語を学ぶから「英語で何をどのように学べるか?」へと変化していきます。
そのなかで、学びを深め、学ぶことに集中できる大学がインター卒業生に注目を集めていきます。
大分県の立命館アジア太平洋大学(APU)と秋田県の国際教養大学は、インターナショナルスクールが多く集まる大都市ではありません。
しかし、「学ぶ」ことに専念できる環境にある大学がインター卒業生に高く評価されています。
すなわち「寮」があり、学びに専念できる大学です。
50カ国以上の学生が共に学ぶAPハウス。寮で共に学ぶことが同窓生ネットワークを強くし、その後の人脈に繋がる。
APUと国際教養大学も学ぶ熱意のある学生がハードに学ぶ大学として、有名です。
それは、大学図書館が早朝から深夜まで「学べる」仕組みとして特徴的です。
APUは、8:30から24:00まで、国際教養大学は24時間利用できる仕組みが整っています。
国際教養大学の公式ホームページより引用
大学は、学ぶところと考えると図書館は知識の宝庫。
学生が図書館で学ぶことが、ポイントです。
両大学とも留学生が多いのも特徴です。
留学生が多いことは、英語で学ぶ多様性のある学生構成が魅力となっています。
多文化な生徒構成で育ったインター卒業生にとって学びやすい環境です。
実際にデータが公開されている関東のインターナショナルスクールから卒業生が選ぶ大学をピックアップしてみました。
【アメリカンスクール・イン・ジャパン】
ICU、慶應大学、上智大学、明治学院大学、名古屋大学、大阪大学、立命館アジア太平洋大学、上智大学、テンプル大学日本校、早稲田大学など
【セントメリーズ・インターナショナルスクール】
慶應大学、名古屋大学、立命館大学、同志社大学、上智大学、早稲田大学など
【聖心インターナショナルスクール】
ICU、慶應大学、聖心女子大学、筑波大学、テンプル大学日本校、早稲田大学など
【清泉インターナショナルスクール】
筑波大学、慶應大学、早稲田大学、法政大学、ICU、上智大学、明治大学、大阪大学、立命館大学など
【K.インターナショナルスクール】
国際教養大学、早稲田大学、慶應大学、横浜国立大学、ICU、明治学院、中央大学、テンプル大学日本校、名古屋大学、同志社大学、立命館大学、関西学院大学、立命館アジア太平洋大学、岡山大学など
【カナディアンインターナショナルスクール】
学習院大学、慶應義塾大学、国際キリスト教大学、上智大学、筑波大学、テンプル大学日本校、立教大学、立命館アジア太平洋大学、横浜市立大学、早稲田大学など
【コロンビアインターナショナルスクール】
青山学院大学、中央大学、法政大学、ICU国際基督教大学、明治学院大学、日本薬科大学。日本大学、立教大学、成蹊大学、上智大学テンプル大学日本校、東洋英和女学院、東京理科大学、早稲田大学、慶応大学など
【横浜インターナショナルスクール】
東京大学、ICU、慶應大学、上智大学、早稲田大学、立命館大学など
【サンモール・インターナショナルスクール】
ICU、早稲田大学、慶応大学、上智大学、テンプル大学日本校、玉川大学、明治学院、多摩大学、昭和大学、関西学院大学、立命館大学アジア太平洋大学
*本データは、あくまでも編集部が調査できたスクールの近年のデータであり、独自の調査結果です。
インター卒業生が志願していく大学は、国内外を問わず「学べる」大学が選ばれています。
▼早稲田大学の国際教養学部も近年、インター卒業生に人気。
今回は、国内の進学先に注目しましたが、海外の進学先を見ていくと音楽大学や演劇、写真やアートなど専門的に学ぶ大学も人気になっています。
名前だけでなく、「いかに学べるか」という大学教育をシビアに評価する視点が含まれています。
そこには、大学でどのくらい学ぶことができるか?
また、その後のキャリアで活かせるか?
を考えていくインター卒業生ならではの感覚があるようです。
インター卒業生は、義務教育から高校、大学へという従来の日本の教育から少し離れた教育機関です。
そのため高校受験、一流大学、就職活動を経て、年功序列で終身雇用という日本の社会の主流で勝負するには不利といえます。
そのためいかに自分の土俵を作り、勝負するか、が問われるため大学は自分のキャリアを築く第一歩として捉えているようです。
また、国内外の大学に進学しても、自分が学びたいことと違ったりする場合、大学に編入学し、進路の変化を柔軟に組み立てる傾向があります。
眞子さま、佳子さまがお二人ともICU、英国の大学へ留学しており、国際的な教育を経験されています。
秋篠宮家の教育は、より国際教育的な発想であるといえます。
今回の眞子さまの婚約相手である小室圭さんがインターナショナルスクール卒業生という点は、共通点が多かったと考えられます。
皇室は、世界の王室とつながっており、婚約相手にも国際的なコミュニケーション能力が求められます。
その振る舞い、姿は、多くの注目が集まり、インターナショナルスクールにも注目が集まると考えられます。
英国王室のプリンセスキャサリン妃は、どのような学校で学んできたのか?シャーロット王女も生まれ、ジョージ王子とともに人気の英国王室。ウィリアム王子とシャーロット王女も英国式保育園で学んでいます。ではキャサリン妃は、どのような教育を受けて育ってきたのでしょうか?プリンセスになったキャサリン妃のプリンセスの教育を解析します。
カナダの23代首相のジャスティン・トルドー。英語とフランス語が公用語のカナダで教師として教壇に立った後、政治の道に進みました。父ピエール・トルドーもカナダ首相を務め、「多文化主義」を進めました。カナダの教育の背景には、多文化理解を進める父ピエール理念が息子ジャスティンに教育として受け継がれています。
先日、英国王室はウイリアム王子とキャサリン妃の長男、ジョージ王子(3歳)が9月からロンドン南部にある「トーマス・バタシー校」に入学する事を明らかにしました。ジョージ王子に自分が卒業した学校とは、別の学校を選んだウイリアム王子、キャサリン妃夫妻。どんな学校に入学するのかロンドン在住のChika B記者がご紹介します。
ボーディングスクールのスゴイ学費。世界トップに人脈を作るには、やはりお金がかかる?
http://istimes.net/articles/775世界トップの子弟が学ぶボーディングスクールの学費とはどのくらいかかるのでしょうか。中学校・高校で培った人脈は、一生続きます。ボーディングの学費とその施設を中心にまとめました。
東京都が新国際高校、英語村、小中高一貫校と国際教育で放つ3本の矢に注目!
http://istimes.net/articles/919東京都教育委員会が矢継ぎ早に打ち出す国際教育の軸。2020年の東京オリンピックを控え、英語村、新国際高校、そして、小中高一貫校も国際教育。東京都が攻める3本の矢についてまとめてみました。
この記事の記者
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、NHK、日本経済新聞やフジテレビ ホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。
カナディアン・インターナショナルスクール公式ホームページより引用