インターナショナルスクール 受験動向
2015.08.25
2015年 東京地域 夏
インターナショナルスクールタイムズは、進学相談および運営するCFIS立川の保護者などへの聞き取りなどから、東京地域のインターナショナルスクールの受験動向をまとめた。
【対象】
本動向は、主に東京都心部にある幼稚部・小学部・中学部・高等部など3つ以上の教育課程があるインターナショナルスクール(主にJCIS加盟校)を対象としている。
なお、一条校は対象としていない。
従って、保育・幼稚部のみのキンダーガーテンおよびインターナショナルスクールは、本受験動向調査に含まれていない。
【概要】
東京地区のインターナショナルスクールの全般的な志願者数は、世界的な好景気およびアベノミックスなどによる株価・地価の上昇および外資系企業の増加により外国人駐在員が増加したことを受けて、外国人と日本人志願者数は2014-15年度より増加している。
そのため、都心部の名門インターナショナルスクールでは、外国人枠において定員を越えたスクールが多くなており、一部のスクールでは、対象となる国籍の生徒で定員に達し、日本人枠が事実上無いケースも出ている。
東日本大震災後、外国人駐在員の都心回帰( 港区・渋谷区・品川区・世田谷区)は続いており、都心部のインターナショナルスクールでは、外国人および日本人の志願者が増えている。
また、東京オリンピックを控え、開発が進む東京の臨海部(中央区・江東区・江戸川区)では、外国人駐在員が増加しており、キンダーガーテン(幼稚部)が増加傾向にある。
【受験傾向】
名門インターナショナルスクールは、人気が高まっており、日本人希望者にとって難易度は高い。
なかでも昨年度に引き続き、日本人保護者の間でカリキュラムに国際バカロレアを採用しているスクールの人気が高い。
カリキュラムに国際バカロレアを採用し、幼小中高一貫校のエスカレーター型のスクールでは、キンダーガーテン(幼稚部)の志願数が増えている。
その背景には、文部科学省の国際バカロレア200校計画とメディアによる国際バカロレアの報道などにより、国際教育の認知が進み、関心が増えてことが理由に挙げられる。
また、エレメンタリー(小学部)以降においてインターナショナルスクール間の受験回避だけではなく、国際バカロレア一貫校のおける教育効果を期待する保護者が多い。
日本人希望者にとって名門インターナショナルスクールの難易度が高まっているため、日本人の名門インターナショナルスクール志望者は、ウェイティングリスト登録後、都心部にある小規模の幼稚部と小学部のみのインターナショナルスクールで待機するケースが増えている。
【2016-17度 展望】
東京都内の2016-17年度の名門インターナショナルスクールのエレメンタリー(小学部)の志願者数は、外国人および日本人でも増加しており、日本人希望者にとっては、難易度が高い傾向が続くと考えられる。
なかでも国際バカロレア認定校で、小中高があるエスカレーター型キンダーガーテン(幼稚部)は、昨年に引き続き、高い人気が続くと考えられる。
不確定要因として世界的な景気後退と自然災害が懸念される。
世界的な景気後退と自然災害が起きた場合、外資系企業の固定費削減、人員削減、拠点の縮小などにより外国人駐在員が減少すると考えられ、それに伴いインターナショナルスクールの志願者数も減少する可能性がある。
その場合、名門インターナショナルスクールの日本人枠が増える可能性がある。
*本調査は、あくまでもインターナショナルスクールタイムズの調査に基づくものであり、特定のインターナショナルスクールの動向を保障するものではない。
インターナショナルスクールタイムズの編集長として、執筆しながら国際教育評論家として、日本経済新聞やフジテレビホンマでっかTV、東洋経済、プレジデント、日本テレビ、TOKYO FMなど各メディアにコメント及びインタビューが掲載されています。
プリスクールの元経営者であり、都内の幼小中の教育課程のあるインターナショナルスクールの共同オーナーの一人です。
国際バカロレア候補校のインターナショナルスクールの共同オーナーのため国際バカロレアの教員向けPYPの研修を修了しています。